みりん加えてしょっぱさを抑える
64天然醸造醤油
醤油発祥の地といわれる和歌山県ではみりんを少量加えた醤油を目にします。味付けというよりは塩角をとってまろやかにするためで、醤油の舌をさすしょっぱさが苦手な方に。
原材料 :大豆(国産)、小麦(国産)、食塩、みりん
魂のこもった醤油造り
四代目の岩本さんは「本物の醤油を造りたい」と言います。岩本さんのいう“本物”とは“魂がこもっていること”。麹造りの3日間は昼夜を問わず見守り続け、蔵人が温度計を睨み、自分の手を入れて温度を確かめ、目で麹の状態を確認する。手に取って香りを確かめ温度を感じ取る…蔵人の五感が熟練センサーになるわけです。蔵人の技術と情熱で“良い麹”を造り上げたら次は自然の力にバトンタッチ。
木桶や蔵にたくさんの酵母や微生物が住みついて、100年近くもの間世代交代を繰り返しながら独自の生態系をつくりあげています。このように魂のこめられた醤油だからこそ、奥深い味わいになるのでしょう。
醤油発祥の地和歌山県紀州有田で造られる手造り醤油
世界遺産にも登録される熊野古道を抱く紀伊山地、高野山系から湧き出る良質な水を使うために、この地に蔵を求めたそうです。伝統的な大きな木桶による昔ながらの製法で、北海道産丸大豆と滋賀県産小麦・長崎県の天日塩を使用し2年間じっくり熟成をさせることで、諸味は円熟のうま味を持ちそれを搾った醤油は本物の味わいに仕上がります。
色もしっかり黒くピリッとした醤油感が前面に出るコクの強さが特徴の古式しょうゆに、塩角をとってまろやかさを出すために本みりん加えています。みりんを加えているといっても、わずか2%程。和歌山県では他でもみりんを使う蔵がありますが、本みりんのみを加えるのは全国的に珍しいのです。煮炊き用の醤油としてはもちろん、塩角が立つのが苦手な方にはかけ醤油としてもおすすめです。
まろやかな塩加減で優しい味わいに
天然醸造醤油のうま味を活かすなら、まずは煮物に使ってみてください。少しだけ本みりんが入っているので、まろやかな塩加減で優しい味わいに。鮮やかな色合いで見ためもきれいに仕上がるので、切り干し大根やおでんにおすすめです。天つゆの代わりに醤油とだしを適量混ぜて使ったり、卵との相性も抜群なので卵かけご飯や釜玉うどんにもよく合います。
カネイワ醤油本店
和歌山県有田郡
自分たちが魂を込めてつくり上げてくれた醤油を認めてくれるお客様に1人でも多く出会いたい。それは1000人に1人かもしれない。だけど、それでよいと思っている。蔵元の詳細