濃厚な溜に熱烈なファンも多い
50尾張のたまり
大豆と塩だけの溜。小麦は一切使っていません。仕込み水が少なく熟成期間が長い溜の中で、一番濃厚な味わい。塩味もうま味もバランスが取れています。熱を加える料理にも。
原材料 :大豆(国産)、食塩
大豆だけでつくる濃厚な溜
うま味成分の窒素分が3.0%と高く、とにかく濃厚なので男性からの支持率も非常に高い尾張のたまり。一般的な濃口醤油が大豆:小麦=1:1なのに対して、溜醤油は大豆の比率が多いことが特徴で、尾張のたまりは小麦を使用せずに大豆と塩のみでつくられています。
愛知県産の丸大豆と塩を杉桶の中で三年間熟成させたもので、うま味が凝縮した濃厚なコクが特徴。刺身用として使うものと思われがちですが、熱を加えることで香りと照りがでるので照り焼きなどにもおすすめです。
海外にも輸出している醤油蔵
愛知県の知多半島、溜醤油の産地として有名な武豊町があります。丸又商店は1829年創業でこのあたりでも古参です。六代目の出口智康さんは「溜醤油がグルテンフリーということで海外から注目をされていますが、実は昔からなんら変わっていないんですよね」と話します。
小麦を使っていない醤油として海外からも引き合いが多いのですが、蔵の規模を大きくすることは考えていないそうです。「醤油の価値をあげたいんですよね。でも、日常使いにできないような高価なものにもしたくないんです。日々の生活になくてはならないものを、しっかりと造りたいですね」。本当に喜ばれる溜醤油を求めて試行錯誤されている様子が伝わってきます。
そのままかけるなら牛肉のステーキに!
ステーキといえば牛肉ですよね。とにかく濃厚な尾張のたまりはまさに牛肉のステーキにおすすめ。その濃厚さは牛肉の赤身や脂に負けず、けれどしょっぱくなく噛めば噛むほどジューシーな肉のうま味を引き立ててくれます。脂身があるほど相性が良いのでぜひサーロインステーキでお試しください。
豚肉にはかけるより調理がおすすめ
みんな大好きおかずの定番、豚のしょうが焼きも溜で作るとひと味違った風味に。醤油のコクとうま味がしっかり豚肉と絡み合い、濃厚なのにしょうがの風味も活かしてくれるのでしつこくなくクセになるおいしさです。きれいな照りも食欲をそそります。がっつり系のおかずが好きな方は濃口よりも溜がおすすめ。
もちろん野菜にも合うんです
じっくり焼いて少し焦げた玉ねぎに溜をかけると、玉ねぎがごちそうに!玉ねぎの甘みに尾張のたまりの香りが加わって贅沢な味わいになります。一方、香りを抑えてコクと甘みを活かすなら、れんこんのきんぴらなど熱を加える方がおすすめ。野菜となじんで優しい味わいに仕上がります。れんこんのシャキシャキ感を残しながら後から甘みを感じる一品は、ご飯のお供にもおつまみにも◎。
丸又商店
愛知県武豊市
文政12年創業。溜醤油の主産地である愛知県武豊町。昔ながらの木桶が70本整然と並び、伝統的でシンプルな造りに、ヨーロッパからも注文が舞い込んでいます。蔵元の詳細