新桶初搾り 2024
醤油を仕込む「木桶」の寿命は100〜150年といわれています。時間を経るほどに、その蔵独特の微生物の生態系ができあがり、オリジナルな味わいが形成されます。その中でも、新しい木桶で仕込んだ最初の一年目にしか表現できない味わいが存在します。これが「新桶初搾り」と呼ばれるものです。
最初の搾りだけの雫
蔵元に新桶が導入される際、他の桶から諸味や生醤油を運んできて塗ります。この「微生物の引っ越し作業」は、どのような味わいになるか予測が難しく、心配も多いですが、なぜかいつも美味しい醤油が出来上がると話します。経験豊富な蔵元でも、新桶の味わいにはいつも驚かされるとのことです。
木桶職人復活プロジェクト
ヤマロク醤油は、木桶の代名詞的存在として知られています。10年以上前から、全国の蔵元に呼びかけ、木桶職人を増やす取り組みを続けています。この「木桶職人復活プロジェクト」には、毎年300人以上が小豆島に集まり、新桶づくりを通じてメーカー、流通関係者、料理人、職人たちが連携し、木桶文化を盛り上げています。
2022年に阪神百貨店で組み上げた新桶
今回の「新桶初搾り」は、2022年5月に阪神百貨店で行われた木桶による発酵文化サミットで組み上げられた木桶を使用しています。当日、来場された方々と一緒に組み上げた記念すべき木桶から搾り出された醤油です。
素材の味わいを引き立てる
ヤマロク醤油の看板商品は4年熟成の「鶴醤」。これは長い熟成期間による濃厚な味わいが特徴です。一方、「新桶初搾り」はその対極に位置し、見た目が淡く、ほのかな甘みがあり、素材の味わいを引き立てます。この新桶初搾りの醤油をぜひ、日常の食卓でお楽しみください。