まろやかな白醤油を目指しています
97伊勢藏 白醤油
春と秋の2回仕込み。エキス分と糖分が多くまろやかなのが特徴。塩の代わりに使ったり、他の醤油とブレンドしても◎。
原材料 :小麦(アメリカ産)、食塩、大豆/アルコール
4種の醤油をつくる蔵元
1914年創業、三重県四日市の東海道で5代にわたり醤油・味噌の製造販売。東海地方ならではのたまりの醸造に誇りを持ち、昔ながらの醤油・味噌の製法を守り続けながら時代時代で進化を続けています。白醤油・淡口醤油・濃口醤油・溜醤油の4種の醤油をつくっているのですが、大豆が主原料の溜醤油に対して白醤油は小麦が主原料。製法も用途も正反対な醤油をつくっている蔵元なのです。
4種類の醤油にはそれぞれに応じた仕込み方があります。加えて原材料が丸大豆か脱脂加工大豆かによっても段取りは異なるそうで、伊勢蔵の仕込みパターンは多岐に渡ります。製造現場を見渡すと麹室や火入れをする設備も普通とは異なる形をしていることに気づきます。なんでも先代が改良を加えた独自設計仕様とのこと。他にも木桶を撹拌する時に諸味が飛び散らないようビニールを吊ったり、パネルで囲んだりと試行錯誤することが伊勢蔵のDNAのようです。
うま味も甘みも香りもしっかりの白醤油
醤油の中で最も色の淡い琥珀色をした白醤油。主原料は小麦で、できる限り色を付けないために大豆は外側を8%ほど削ったものを割合としては10%ほど、炒って浸漬させたら大豆と小麦をまとめて蒸し琺瑯(ほうろう)タンクに入れます。熟成期間は3ヶ月程度と短いのが特徴で春と秋の2回仕込み。
搾る作業も特徴的で、白醤油の諸味は他の醤油と違いパラパラしているので、タンクからスコップですくいだし1枚1枚専用の布に包んで1回ずつ手で広げないといけません。エキス分が多くその中の糖分が大変多く含まれているので、うま味も甘みも香りもとてもしっかりしています。
個性を活かした料理に
個性のしっかりした伊勢蔵白醤油は、シンプルなお吸い物や卵焼きよりも味わいのはっきりしたものにおすすめです。油との相性が良いので、塩ラーメンや冷し中華のタレ、フレンチドレッシングなどに。また砂糖と合わさると、甘みを引き立ててくれます。
少し変わった使い方としては、牛乳・生クリーム・砂糖を混ぜて煮詰めるだけの簡単ミルクジャム。とろっと甘いミルク味ですが、後味にまろやかな白醤油の風味を楽しめます。トーストやパンケーキ・アイスにも合いますよ。
伊勢藏
三重県四日市市
白醤油から溜醤油まで個性が異なる醤油を幅広く手掛けています。異なる仕込み方法を器用にこなす蔵元。蔵元の詳細