好物、卵焼き。
日東醸造/しろたまり
「私はこれで茶色い卵焼きを卒業しました。砂糖と醤油少々で優しい卵焼きに。お弁当箱の中でも上品なたたずまい」
原材料は小麦と塩と焼酎のみ。白醤油としての味と風味を追求した結果、大豆を抜いて仕込水を半分に。大豆を使っていないので醤油とは定義できず小麦醸造調味料という表記に。
原材料 :小麦、食塩、焼酎
地元愛知県産の小麦100%の調味料
「しろたまりって何ですか?」とお客様から質問をいただくことがあります。醤油はJAS規格で「白醤油・淡口醤油・濃口醤油・再仕込醤油・溜醤油」の5種類に分類されています。しろたまりはその中の白醤油に属していますが、原材料が小麦、食塩、焼酎のみで、大豆を使っていない調味料です。
醤油は大豆のイメージが強いと思うので、小麦100%と言われると味の想像がつかない方も多いと思います。「大豆」=うま味/「小麦」=甘みや香りなので、意図的にうま味成分を抑えて、小麦の甘みや香りを追求した調味料です。
醸造期間が短く三ヶ月程度で造られるため、透き通る琥珀色のきれいな色合い。素材の彩りやうま味を最大限に活かしてくれます。だしと合わせた料理では、色は明るく、だしの風味を活かすので、だし巻き玉子・炊き込みごはん・お吸い物を想像していただくと分かりやすいかと思います。
奥三河にある「日東醸造足助仕込蔵」
「昔の白醤油は違ったような気がする」そんな先代の一言から白醤油の追求が始まったそうです。麹と仕込水の割合など仕込み方を試行錯誤しながら、良質な水を探してたどり着いたのが本社工場から車で90分も離れた奥三河の標高730mの自然に囲まれた土地。
廃校となった小学校の建物を蔵にして木桶が並びます。愛知県産小麦を原料に通常の2倍の小麦麹を使い、伊豆大島の伝統海塩「海の精」で仕込みをしています。
甘くて懐かしい卵焼き
子供の頃のお弁当のおかずで大好きなものは甘い卵焼き…そんな方は多いと思います。でもきれいな黄色の甘い卵焼きって意外と難しいもの。そんな時はしろたまりの出番です。
卵のきれいな黄色をだすのはお手のもの。卵のうま味を活かしながら砂糖の甘みも引き立たせ優しく甘い卵焼きに仕上がります。さらに甘酒をプラスすればフワフワ感も加わりますよ。
だしを活かして見た目もきれいなお吸い物
お吸い物といえば、だしの風味と具材の彩りを大切にしたいもの。貝や昆布だしとの相性がよいしろたまりは、あさりやはまぐりのお吸い物に使うと、貝の香りと味を活かしたすっきりとした味わいに仕上がります。見た目の美しさは言うまでもありません。
ホワイトソースにしろたまり
冬の定番メニューのグラタンのおいしさの決め手はやはりホワイトソースです。グラタンに醤油?と思われる方もいるかも知れませんが、隠し味的においしさをアップさせることができるのです。淡口醤油を使えばうま味と香りがさりげなく加わり、しろたまりを使えば優しい甘みとコクが加わります。
日東醸造
愛知県碧南市
愛知県碧南市(へきなんし)。小麦が主原料の白醤油の醸造元は日本でも数社ほど。良質な水を求めてたどり着いたのが足助仕込蔵。廃校となった校舎を蔵にして木桶が並びます。