ウスターソース(トリイソース)
トリイソースの定番といえば、このウスターソース。さらっとしたタイプで、生の野菜をたっぷり使い、自家製の酢と日本ならではの昆布や鰹節の出汁を効かせた和のウスターソース。木桶でじっくり熟成させているところも特徴です。
原材料 :砂糖(国内製造)、野菜(たまねぎ、トマト、人参、にんにく、セロリ)、醸造酢、食塩、香辛料、レモン果汁、昆布、かつお節
容 量 :200ml
木桶で熟成させたソース
トリイのウスターソースは木桶で熟成しています。出来上がったソースは一度この桶の中に入れられて、瓶詰めされる分だけが再び引き出されます。継ぎ足しソースのような感覚で、新たに注がれてから出ていくまでに平均すると2か月くらいをこの中で過ごしているそうです。
味の均一化と代々のうま味が凝縮される熟成の時を過ごします。この工程はソース業界で珍しいはずで、木桶で熟成させているのはトリイソースくらいだと思います。
ソースは酢と野菜からできている
ソースの原材料は意外と知られていないと思います。社長の鳥居大資さんは「醤油は塩味とうま味を添えるもので、ソースは酸味とうま味を添えるものですよね」と説明されますが、酸味の元になるのが酢で、うま味の元になるのが野菜。それらに香辛料を加えたものがソースになります。
そこで、トリイのウスターソースが大切にするのは、国産野菜100%+自主生産のこだわり酢を使用するということ。使用する野菜は出来るだけ顔の見える生産者や、近隣エリアから仕入れているそうです。収穫されたままの形で運ばれてきて、スタッフの方が刻んでミキサーにかけてペースト状にしています。
酢も自家製
30年以上前から酢も自社醸造しています。地元の酒蔵の吟醸酒の酒粕を元にアルコールを抽出、酢酸菌を繁殖させていく静置発酵法で2ヵ月かけて酢にしていきます。
最適温度が異なる酢と香辛料
シナモンやナツメグ、クローブなど、甘さを引き立てる香辛料の使い方にも特徴があります。香辛料を粉末にして混ぜるのではなく、原形か粗挽き状態で濾し袋に入れ、ソースの中に漬け込むことで香りだけをソースに溶け込ませています。
香辛料は種類によって、熱に強いもの、弱いものがあり、温度と入れるタイミングが大切なのだそうです。漬け込む温度帯を2段階に分け、熱に弱い香辛料は温度が下がってから漬け込むようにすることで、望ましい香りだけをソースにうつします。
香辛料を袋にいれて漬け込むイメージなのですが、「急須でいれたお茶と粉茶をイメージしていただくと分かりやすいと思います。急須のお茶はインパクトは少ないけど、すーっと入ってくる。粉茶は味がストレートだけど苦味も残る」と鳥居さんが説明してくれました。