地元生産者との連携で感じるつくる喜び
日本醤油工業(北海道旭川市)
「安売り競争の営業ではなく、商工会をまわって魅力的な素材を見つけてきてほしいと営業担当に伝えました。北海道はおいしいものの宝庫ですからね」と話すのは前社長の浅利邦章さん。地元生産者とのコラボレーションで、鮭節昆布醤油や雲丹醤油、小ねぎ醤油などを次々に開発しました。
「その試行錯誤はスタッフが『ものづくりの喜び』を感じるきっかけになり、社内が明るくなりました」と社長の茂木浩介さん。国際的な食品マネジメントシステムFSSC22000を取得し、高いレベルの衛生管理と柔軟な小ロット対応を実現。直営店では個性豊かな醤油がずらりと並んでいます。
キッコーニホン 特級
地元生産者とのコラボレーション醤油のベースにもなる醤油。基礎こそしっかりの精神で昔からの味、規格を守る。
しろしょうゆ(本醸造)
原材料 : 脱脂加工大豆(アメリカ製造)(遺伝子組換えでない)、小麦、食塩、大豆(遺伝子組換えでない)/アルコール
製造の度に進化する醤油を目指して
今野醸造(宮城県加美郡)
「20年ほど前、味噌づくりに使う大豆を自社栽培したことが転機だと思います。周囲からは反対され、やっと借りることができた土地は遠く離れた山の麓でした」と今野浩嗣さん。「自分たちで大豆をつくるから、原材料の見極めは敏感になり、よりよいものを追求する姿勢になりました」。
「分析数値は同じでも、とがった味だったり、すっと抜けるような香りだったりとタンク毎に個性があります。その調整にたくさん失敗もしましたが、その度に学ぶこともあります。常に進化する姿勢を心がけています。これは大豆づくりから学んだことでもありますね」と後藤正信工場長。
芳醇
プロ料理人向けに販売している醤油でラーメン店や中華料理店からの支持が厚い。その名の通り醤油の芳醇な香りが特徴。
こいくちしょうゆ(混合)
原材料 : 食塩(国内製造、メキシコ製造)、脱脂加工大豆、小麦、アミノ酸液、果糖ブドウ糖液糖、大豆/カラメル色素、調味料(アミノ酸等)、保存料(パラオキシ安息香酸)
香りを大切にする濃厚な味わいの白醤油
菱太産業(愛知県名古屋市)
「白醤油は仕込みをして数か月後に底に溜まった液体を生引きします。これが一番搾り。その諸味に塩水を加えて再び生引きしたものが二番搾りです」と社長の太田恭平さん。「ある時、『二番』にビールやフルーツのような香りを感じて、こんな役割があったんだと気づいたんです」。
「『一番』はエキス分と甘みがたっぷりなのですが、それだけだと少しくどい印象がありました。そこで、『二番』の諸味を慎重に温度管理することでフルーティーな香りたたせることを意識しています。混ぜた時に調和がとれるようなイメージです」と親子二代に渡って研究に余念がありません。
太田屋 白醤油 超特選
淡口醤油よりさらに淡い色で、食材の風味や色彩を活かす醤油。小麦が主原料で独特の優しい風味と甘みがあります。
しろしょうゆ(本醸造)
原材料 : 小麦(アメリカ産又は国産)、食塩、大豆(IP管理品)/アルコール、ビタミンB1
父と母が40年前に決めたレシピを継承
佐伯醤油(広島県廿日市)
第47回全国醤油品評会から連続で農林水産大臣賞を受賞。「製法は父と母が40年前に決めたレシピを変えていません」と社長の阿須賀謙治さん。「配達と営業に走り回る父、醤油の調合をする母でした。『こんなものない?』とリクエストがあれば、夜な夜な話し合っている姿が印象的でした」。
「料理人さんとの関係づくりは意識をしています。『こんなことできませんか?』と提案をし続けていると、自然と話しかけてもらえるようになるんですよね。また、醤油の微妙な変化や設備・配管の中の様子など目に見えないことに想像力を働かせて試行錯誤することを大切にしています」。
まるさ 特選 本醸造
しょうゆ本来の旨味と香りを大事にした少し甘口が特徴。地域の皆さんの声を聞いて「積み上げてきた味」です。
こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料 : 脱脂加工大豆(国内製造、インド製造)、小麦、食塩、砂糖、ぶどう糖果糖液糖、水飴/アルコール、調味料(アミノ酸等)